三種のチワワ入り牛丼

全て実体験です

バレンタインデーに失恋した話

‪バレンタインデーが近づく度に思い出す、学生時代の苦い失恋の記憶がある。

 

高校三年生の時のバレンタインデーの出来事なんだけど、三限目の国語の時間の途中、片想いをしていた隣の席の娘に「放課後、誰もいなくなった教室に来て!」とコッソリ耳打ちされたので、これは本命チョコが貰えるのでは?それとももしや告白!?両想いじゃん!と期待に胸を膨らませ、心躍らせながら放課後スキップで会いに行ったんだよね。

 

いざ教室に入ると、「君だけに見せたいものがあるの……」なんて彼女が言うものだから、これから一体何が起きるのかと凄くドキドキして待っていたんだ。

 

すると、突然彼女がガチャガチャと音が鳴る眼鏡?どこで手に入れたのかも分からないけど、それをおもむろにカバンから取り出し装着して、「誇張しすぎた福山雅治!」などという意味不明なモノマネを披露し始めて、、、「実に面白い!実に面白い!」とひたすら連呼しているんだよ。

 

僕は一体全体何を見せられているんだ……と一人呆気に取られていたら、モノマネをやり終えた彼女が感想を求めてきて、僕は余りにも予想を超えた出来事に混乱していたものだからお世辞を言うなんて器用な事も出来ず、「全然似てないじゃん…まだコロッケの方がマシだわ」と率直な感想を述べてしまったんだよね。

 

そしたら彼女が怒って「もういいよ……さっさと帰って!」と泣きながら言ってきて、….僕の初恋はこんな訳の分からない形で幕を下ろしたんだよな。

それから暫くの間はショックで福山雅治の曲をどうしても聴く事が出来なかったし、彼女ともそれっきり学校で喋る事は無くなりそのまま卒業を迎えてしまった……。という訳さ。

 

でもこの話には続きがあるんだ。

この前テレビを何となく付けていたら聴き覚えのある声がテレビから聴こえてきて、その彼女が「ハリウッドザコシショウ」という名前で芸人になっていて、更にはあの時見せられた「誇張しすぎた福山雅治」を持ちネタとして披露しているという事実を偶然知ったんだ。

 

「彼女、未だにこんな事やってるんだ……馬鹿だな…」と苦笑しながらも、ほろ苦い青春の思い出の一ページがいきいきと蘇ってきて、懐かしさと切なさがどっと込み上げて来て少し泣いちゃったな……。

ここまで読んでくれてありがとうございました!!